2015年03月25日

森博嗣にハマる予感

本棚を整理してたら奥の方から出てきた一冊「すべてがFになる」を読む。

かなり以前、人から”おもしろいよ”と言われ頂いた本のくせに、パッと見た感じ自分の趣味に合わない気がして放っておいたんですけど。

今日一日で一気に読んでみて、食わず嫌いはいかん!と思った次第。作者の森博嗣さんは某国立大の工学部助教授だそうで、その作品群も理系ミステリーと呼ばれているようです。

確かにトリックとか登場人物とかのセリフとかが理系してます。10年位前の作品なんでコンピューターを使ったトリックなんかは今見るとちょっと・・・って感じもしますが、それは些細なこと。全体的にはすごくスピーディーに話が展開して楽しめました。

しかし本格理系ミステリーと言うより、どっちかというとライトノベルに近いかも。登場人物の性格なんかがかなり漫画的で舞台設定もかなり非現実的だし。それでいて読み易い。

読み終わった後、京極夏彦の作品を現代風の設定に変更して、更に文体なんかを読みやすくしたらこうなるんじゃないかなあ、なんてことを思いましたよ。

そしたら解説で瀬名秀明が同じようなことを言ってました。

『森の作品では、極めて興味深いことに、認識やリアリティを問われるのは作中の名探偵ではなく私たち読者のほうなのだ。つまり読者がそれまで抱いてきたリアリティという名の幻想こそが、物語の謎を生み出す基盤になっているのである。この意味で私は森博嗣と京極夏彦の強い類似性を感じる』

何はともあれ、こういう面白い作家さんを見つけた時の喜びはたまりません。シリーズ物になってるようで、しばらく退屈しないで済みますから。

しかし、ヒロインの名前が西之園萌絵って・・・まさか「萌え」の原点?!な訳ないよなあ。  


Posted by 幸  at 05:02